白い猫の来た道

日々つれづれ

みちしるべ

春は不安定だ。

 

陽の光が透過する力が強くなるのと共に、自分の中の暗闇にも光が当たる。

 

心のみにくさに触れると、嫌悪感とともに、どこか安らぎを覚えることがあるのはなぜだろう。

 

ぞろぞろと這うものに耳を傾ける。

なぞった形に陶酔する。

 

昏いものに身を委ねてしまいたくなるとき、私はうつくしいものに触れることにしている。

うつくしさはただそこにあって、すっと透明な光を差している。

黒々とした心に風が吹き込む。

 

私は、みにくさを引き連れたままで、うつくしさの指し示す道を選ぶ。

うつくしさは、行くべき道を指し示してくれる道しるべだ。