2017-02-10 ほころび ことば 見つけた糸のほころびをずっと見続けるように、人の心の闇を見続ける人たちがいる。見続けざるを得ない、と言った方がいいのかもしれない。少し目をそらせば、服の柄の鮮やかさや生地の肌触りの良さが目に入るだろうに、糸のほころびから目をそらさない。人はそこに、何を見るんだろう。暗闇ばかりを見つめて、見つめて。その先にしかない光を見出すことが、世の中にはあるらしい。世界は明るいものばかりではない。それでも人は、あらゆるものに美しさを見出すことができるんだろう。