白い猫の来た道

日々つれづれ

ことば

過去のものになる

昔好きだった人の写真や投稿が偶然SNSで流れて来ても、心が動かなくなっていることに気づく。 あんなに好きだったことが不思議に思えてしまう。 人として好きなのは変わらないけれど、恋愛の気持ちはもうない。 「好き」は、育てなければいつか過去のものに…

うつくしいもの

綺麗なものや美しいものが好きだ。 生きていくには大変なことが多いこの世界で、 ふと目に入ってくる美しいものは、まるで灯のようだ。 点々とともる灯を頼りに、今日も歩いて行く。 そして、誰かにとっての灯をともしていけたらいいなと思う。

みちしるべ

春は不安定だ。 陽の光が透過する力が強くなるのと共に、自分の中の暗闇にも光が当たる。 心のみにくさに触れると、嫌悪感とともに、どこか安らぎを覚えることがあるのはなぜだろう。 ぞろぞろと這うものに耳を傾ける。 なぞった形に陶酔する。 昏いものに身…

透明なかなしみ

光の粒子がこぼれるような明るい言葉に、火傷してしまう夜がある。 そんな日は、凛とした寂しさのある、うつくしい文章に触れる。生きる痛みのこもる、あたたかな言葉に触れる。 そうして、透明なかなしみに、耳を澄ましている。

欠けた世界

誰しもがどうしようもなく欠けた部分を持っている。 自分が抱えている欠落感の大きさは生き難さを生むけれど、その欠けた部分を安易に埋めてしまおうと思わない方がいい。 パートナーや、家族や、どこかの誰かが発するきらきらした言葉は、自分を救ってくれ…

祝福の音

せっかく言葉を口にするのなら、 批判するよりも、褒める言葉を多く使いたい。 嫌いなものをなぜ嫌いなのか説明するよりも、好きなものがなぜ好きで、どこがいいのかに言葉を尽くしたい。 自分から送り出していくものに、祝福の音を乗せたいと思うよ。

汝が弱さこそ愛しけれ

弱さや欠落こそ美しさの源。歪さが、その形ゆえに誰かとの繋がりを深くする。陰も毒も消してしまわないで欲しい。光だけの世界は、きっと優しさとは対極の場所にある。

安心

「安心」を求めることを手放そうと思う。 それはもうすでに、自分の中にあった。

問い

‪考えても今すぐ答えが出ないことは、そのまま放っておく。‬‪何年でも、何十年でも。‬‪心の奥底に仕舞われた問いは、いつか答えにたどり着くかもしれないし、わからないままかもしれないけれど、自分の一部となって、人生を作っていく。‬‪たくさんの問いと一…

必要なこと

どんなときでも、誰にでも、自分の全部を話す必要はない。全ての人からの理解は必要ない。 必要なときに必要なだけ、知って欲しい人に、そっと見せたらいいと思う。

春の宵

通奏低音のように常に響き続けるかなしみと。決して埋まることのない孤独のこころと。 春の宵は、ゆらゆら揺れる。

うらやましさ

うらやましい、羨ましいとどろどろしている。 煮詰まった、濁ったその気持ちの中に欲しいものが隠れていて、すなわちそれは、わたしそのものの希望なのだろう。

わたしと私

小学校1年生の算数で、皆が「たし算だと思う」に手を挙げたのに、ひとりで堂々と「ひき算」に手を挙げて間違えたのはわたし。小学校2年生の国語で、「このときの○○くんの気持ちは?」という先生の質問に、○○くんの気持ちを台詞にして情感たっぷりで答えて、…

ほころび

見つけた糸のほころびをずっと見続けるように、人の心の闇を見続ける人たちがいる。見続けざるを得ない、と言った方がいいのかもしれない。少し目をそらせば、服の柄の鮮やかさや生地の肌触りの良さが目に入るだろうに、糸のほころびから目をそらさない。人…

寄り添いながら書く

若松英輔さんの読書会について書いたブログをTwitterでシェアしたら、若松さんご本人の目に留まり、なんとTwitter上でリプライまでいただいた。 「ゆっくり、ほんとうに感じていることに寄り添いながら書いてみてください。」という言葉が添えられていた。 …

無題

写真は撮らなかった。目の前にいる人に集中したくて、その日、ひとりになるまでiPhoneに触らなかった。心打つ美しい風景と、初めて繋いだ手のあたたかさと、胸に満ちる安心感が、柔らかな布で大切に包まれたように、心に残っている。まるで夢のようだ。1日…